お受験準備マニュアル
16.願書を書き始める
出願は10月初旬ですが、多くの教室では8月中に願書の添削が始まります。志望動機などとして一定以上の文章量が必要となる学校では、この上なく完成度が高い文章を作るつもりで取り組んでおくべきでしょう。
面接がある学校では、どこも面接官の先生が丹念に願書に目を通していらっしゃいます。そして面接では、内容に関連する質問がくりだされたりするものです。逆の言い方をすれば、質問したくなるような糸口となる内容を入れるようにしたいものです。
文章量を求められるのは、幼稚舎、立教女学院、早実。
任意で求められるのは学習院と雙葉です。
ちなみにこのなかで最も記入スペースが大きいのは雙葉になります。
雙葉は記入するテーマが指定されていますが、ほかは見事にフリースペースです。ではここには何を書くべきなのか?
学校側が知りたいのは、どういうご家庭でどう育てられてきた子供なのか。そしてこれからどう育て、将来に何を望んでいるのか。また本校に入学を希望しているのはなぜなのか。どの程度本気でのぞんでいるのか。ということではないでしょうか。
それらの要素を満たしつつ、オリジナリティのある文章を作ってください。ちなみに市販の願書の例文が載っているような本は、一切読まないほうがいいです。見れば見るほど引きづられて、どこかで読んだようなものになりがりです。
話は変わりますが、筆記具はゲルインクを好む人が多いようです。
万全の体制でのぞむ方は、0.28、0.38、0.5、0.7の4種類を用意します。ちなみに書きやすいと評判なのは、
三菱 ユニボール シグノのノック式です(0.28はノック式がありません)。スペース毎に芯の太さを適切に変えながら書くと見やすい願書になります。
0.28で真剣に書くと、驚くほど小さな字がかけますが、老眼の先生も少なくありません。読む気がしないほど小さな字で詰め込むのは、親に能力がないことを露呈するだけです。
読む気になる文章量に抑え、とにかくていねいな字を書くように心がけましょう。
年長になった頃から少しずつ、考えを文章にする作業をしましょう。
・教育方針
・具体的にどんなふうに育ててきたか
・具体的にこれからどう育てるつもりなのか
・どんな人間になってほしいのか
まずはこのへんから始めるといいでしょう。
そして最も苦戦するのは、
・なぜこの学校なのか
というところではないでしょうかしょう。
第一志望の学校ならサラリと書けても、第二志望以下になると…。
いずれ面接準備でも必要になります。
長きに渡る指針です。子育てを見直すよい機会にしてください。
願書は3部ずつ用意しておきましょう。そしてコピーをしておきましょう。コピーに下書きをし、添削していただくことになります。
万が一最後の一枚も書き損じてしまったにもかからず、もう学校で販売していないようならば、書き損じた3枚を並べていちばんマシなものを選びましょう。そして2本線に修正印を押しましょう。
同時にお教室に相談してみてください。予備の願書をわけてくれるかもしれません。個人のお教室なら、他のママに先生が余っていないか聞いてくれるかもしれません。
備考欄ですが、ここには親の出身校と具体的な職業、自営の場合は年商も書くように指導される場合が多いようです。もちろん強制ではありませんので、書くことで気が重くなるようなら、その必要はないでしょう。
一度ご自身が最終選考をする先生になったつもりで考えてみましょう。
子供も面接の印象もぬけてよければ、備考欄は関係ないかもしれません。でもボーダーにのってしまったら…。どうでしょうね。