お受験準備マニュアル
1.小学校受験の意思決定
子供が生まれる前から受験するのが当たり前という家庭のママなら迷うことはないでしょうから、このページは飛ばしてください。
また受験を既に決めている方も飛ばしていただいて結構です。
そうでないことを前提に話を進めます。
私立小学校を受験する理由として一般的にあげられるのは下記の内容です。またそれらは重複することが多いようです。
1.親である自分も私立小出身なのでもれなく
2.宗教教育や独自の教育方針などに共感し、公立では不可能な教 育環境を与えたい
3.近い価値観の子弟子女が集まる場で過ごさせたい
4.中学受験の回避
5.公立小学校の回避
6.中学受験準備
7.大学受験(進学)を見据えて
あなたが受験を考えたときにあてはまるであろう理由が1〜4に該当し、学費や関連費用、習い事、住環境なども含め、金銭的に余裕があるならば受験準備を積極的にすすめても問題ないと考えられます。
ご主人ときちんと話をしていない場合は、準備費用が大きくかかりだす新年長前(年中夏が目安)までには、遅くとも同意を得ておきましょう。
費用は自分や実家が出すという場合もあるようですが、面接がある学校を受験する場合は、父親の協力が不可欠であることを忘れずに。
1〜4にはピンとこず、強いていえば5〜7が理由になりそうな場合は熟考が必要です。
私立小学校のデメリットをお伝えしょう。
a.子供の将来を狭める可能性がある
いくつかの大学附属の小学校は難関であり名門ではありますが、普通にしていればとりあえず上がれるという甘えがつきまといます。慶應大学を除けばすべての学科が網羅されているわけではありません。極端な話、中学受験をしていれば御三家→東大が可能だった子供が、小学校受験でご縁をいただいたばかりに、ひたすら楽しいばかりの学生生活を送ることになるかもしれません。
幼稚舎・雙葉を除けば、これらの
附属小学校でも中学受験組は存在します。しかしながら高学年では宿題がなくなることも多く家に近く、受験準備が普通である公立小学校から受験するのと比べると、大きなハンディがあることは確かです。
b.苦情が言い難い
いじめなど問題が起きた場合、まず担任に相談→ラチがあかなければ学年主任→校長先生→事務局長 となるわけですが、私立の場合、普通の家庭であればモンペまがいの行動はとりにくいものです。その結果か、どこの学校がということではなく一般論として、大きな問題が起き学校をやめる場合の多くは
被害者側であるというのが実態です。
その点、公立なら担任→学級主任→校長でダメなら次は教育委員会→その他区議会員や有力者など、
働きかけ対象のヴァリエーションが豊富です。さらには同区内であれば、何回でも転校することも不可能ではありません。
C.ほぼ固定の人間関係がえんえんと続く
幼稚舎は6年間クラス替えがありませんね。成城も3〜6年は固定でしたね。2年に一度程度はクラス替えがある学校の方が多いようですが、そうはいっても基本的に最低12年間は今いるメンバーを含めて過ごすわけです。中学に上がったら、小学校時代の恥は消える、というわけにはいきません。中学、あるいは高校で子供の人間関係は、学校によっては広がりますが、多くの場合
親の人間関係は小学校時代で固定します。学校はもちろんお友達の家庭にもそそうのない毎日を、心がける必要があります。公立だったら、そんな意識は必要ありません。中学受験で地域から離れれば、ほとんどリセットできてしまいます。
公立小学校のゆとり教育は(ほぼ)過去のもの。カリキュラムは充実の方向に向かっています(はず?)。確かに環境がいいといわれる地区の学校でも学級崩壊はありますが、多くのクラスでは普通に授業が成り立っているようです。ただはっきりいって、
こればかりは運、でしょう。
また中学受験に関してですが、中学受験が盛んな地区の公立小学校は、塾通いの障害となること(余計な行事や時間だけかかる宿題など)は、現状ではしない傾向にあります。どうせ中学受験をするならば、
片道20分程度以内の受験小学校(国立学園・精華・洗足・宝仙。その他目黒星美男子・トキワ松・都市大学附属など)に通わない限り、公立小学校のほうが有利というのが多くの意見のようです。
また大学受験に関しては、男子に関しては特に、中学御三家および準御三家に大きく水をあけられています。強いて言えば、唯一の存在は
桐朋です。また10数年後を考えた場合、一部の都立高校はさらに実績をのばしているかもしれません。なのでこういった附属系小学校の受験は、微妙なものがあると考える家庭も少なくありません。
女子に関しては、大学進学実績で上にくる私立は
桜蔭・女子学院・豊島岡くらいしかないので、男子ほど気にする必要はないでしょう。