お受験準備マニュアル
4.考査の目的は何なのか
志望校が決まっており、ご紹介者や学校関係者、在校生の親などを既に知っている場合は、その方のすすめに素直に従えばよいでしょう。
ここでは、現状でなんのご縁もない方を対象にします。
極端な話、
お稽古にまったく通わなくてもご縁をいただけたという子供は存在します。
ただその割合は著しく低いのが実態です。初めてのお受験の場合は、
情報収集もかねて、適切なお稽古通いをするのが一般的です。
お稽古方針を考えるにあたっては、そもそも考査では何を見られるのか?
ということを理解しておく必要があります。
子供の考査で見られるのは大きくは以下の3点です。
1.
まともな家庭に育っている子供は、例えばお箸は正しく持つものだし、
挨拶は目を見てきちんとできるに決まっています。鉛筆が正しく持てます。
ありがとう、が自然にいえます。ゴミが落ちていたら普通拾うでしょ…。
お散歩をすれば花が咲いています。虫がいます。それに関して話もするでしょう。
お椀は右、お茶碗は左、箸置きも使っていますよね。
しゃもじでお鍋をかき混ぜたりとお手伝いもするでしょう。
まともな家庭で育っていれば、もろもろの常識も知っています。
常識をわきまえたきちんとした家庭(で育った子供)であるかどうか
2.
発達が適切でないと授業についていけず、いずれ放校になる可能性が高いから可哀想。
席に座っていられる子ばかりじゃないと、授業が滞るので困ります。
先生のいうことを理解して、実際に行動できない子が混じると、
授業が滞るので困ります。お友達と円滑に遊べる子じゃないと、
トラブルの種になるので困ります。できなくてもコツコツと頑張れる子じゃないと、
なにかと伸びる気がしないし、将来成績が低迷しそう…。
円滑な学校生活が送れる子供であるかどうか
3.
1・2をクリアしたうえで、勉強でもスポーツでも芸術でもなんでもいいから、
将来伸びそうな芽をもつor背景をもつ子供はいないかな。
or大学(中学)進学実績に貢献してくれそうな子供はどの子かな。
教師として指導し甲斐がありそうな、楽しみな子供かどうか
願書・面接を含めた考査は、
自分達親子が学校の方針に沿い、
円滑な学校生活を送っていけること、
そして子供は将来とても有望であるということのアピールの場です。
学校は、一定レベルに達していると判断した子供と家庭のなかから、
“独自の基準”で選別し、合格・補欠・不合格を決定しているわけです。
お稽古は、子供を、この
“学校が求める一定レベル”に、もれなく仕上げるのが
主たる目的です。
上の2番と、あとは1番のフォローですね。
3番のキラリと輝く“光る子供”に導くのは、あくまでも家庭の役割と認識しましょう。